プラチナの刻印
ゴールドと違って、プラチナは品位をカラットの刻印で表しません。プラチナの純度は、純粋なプラチナが1000分のいくつ(ppt=parts per thousand)あるかで表します。アメリカでは、少なくとも950ppt含まれていなければ「プラチナ」と言うことができません。(監修者:日本ではISOおよび社団法人日本ジュエリー協会がプラチナ・ジュエリーと呼称できるのは、Pt850以上と定めています。)こういった製品にはプラチナ(platinum)という言葉、もしくは省略形のPLAT、または数字で示したPt950、Plat950などの刻印がつけられています。プラチナの含有量が950ppt以下のものはそれに応じてプラチナ含有量を刻印します。たとえば、純粋なプラチナを900ppt含むプラチナのジュエリーは「Plat900」または「Pt900」という刻印が付いているでしょう。850pptのジュエリーには「Plat850」や「Pt850」です。850pptはプラチナのチェーンに利用されるのが一般的で、耐久力と柔軟性を加えるために他の金属が高い割合で合金されています。アメリカでは、プラチナ(platinum)という言葉を省略する際には、2文字(Pt=platinum)か4文字(Plat=platinum)にすることが認められています。純粋なプラチナが500ppt以下しか含まれていないものはプラチナと呼ぶことができず、プラチナという言葉やプラチナを表すいかなる文字も表記することはできません。
純粋なプラチナと他のプラチナ族の金属を結合させた製品も、それに応じた刻印が付けられます。たとえば、Pt900/Ir100とは900pptのプラチナと100pptのイリジウムということを示し、アメリカではかつてこのプラチナ合金が最も一般的に使用されていました。古いものには「Pt900」もしくは「Plat900」という刻印が押されているかもしれません。そのなかにもイリジウムが含まれているのにも関わらず表示がないのは、「プラチナ900」には常に100のイリジウムが合金されているという認識があったからです。古い商品の中には現在でも「IRIDPLAT」や「90%platinum 10%iridium」という刻印が内側に付いていることがあります。